身辺雑記「綾に哀しき」２０００年５月分

梅雨入りも近い？

熊本は昨夜半から雨。

町並みは今朝からの沛然たる豪雨洗われて、木々の緑は鮮やかに美しい。梅雨が着実に近づいていることを予感させられる。

熊本の梅雨は相当不快なのだそうだ。考えてみれば、真冬ですらあまり乾燥とは縁のない土地柄だから、湿度の高さが「相当のもの」であろうことは容易に想像がつく。私のような単身赴任者は特にカビには注意しないといけないだろう。

「みどりの日」を「昭和の日」に変えるという例の国民祝日法改正案が廃案となりそうだ。モリ総理の舌禍事件で慎重論が出たためという。何にせよ廃案は慶賀すべきことだが。

訳の分からない法律を訳の分からない理由でごり押しされるのはもうたくさんだ。またそんなものが隠然たる圧力を持ち始めるのは国旗国家法案を見ても明らかであろうし。

NetScape6のベータ版、早速使ってみたが、結構軽くて扱いやすい。文字実体参照の対応もばっちりだ。ウムラウトもしっかり表示された（製品版ネスケ4.73以前では「？」になってしまう）。形状はMozillaにそっくり。ってあたりまえだけど。

NetScapeニューバージョン続々

NetScapeのバージョンアップ版の情報が続々と入ってきた。

4.72は、CD-ROMでも入手できる。→http://cd.netscape.com/ja/

また、4.73もアップされた。

→http://home.netscape.com/download/download_1_742_101_8_4.73.html

さらに、NetScape6のベータ版もでている。文字実体参照の未対応など、不満の多い向きは一度試してみる価値はあるかも知れない。

→http://home.netscape.com/ja/download/beta/index.html

山村聡氏逝去

俳優の山村聡さんが亡くなった。９０歳だったそうだ。

いい役者さんだった。小林正樹監督の「人間の条件」などはかなりお気に入りだったが、なんと言っても成瀬巳喜男監督の「山の音」での父親役は印象に残っている。

また、テレビでの「華麗なる一族」で万俵頭取を演じて、映画での佐分利信と性格を異にした演技を見せてくれた。

監督作品では、やはり「蟹工船」が代表作といえるだろうか。第一作とはとても信じられない。ただ、ラストシーンで乗り込んできた海軍が発砲して漁夫を殺戮するシーンはやりすぎだとは思ったが。

９０歳。一般的には天寿を全うした、といわれるだろう。

だが、人の死は残された人それぞれに違った重みを与えるものである。

生きていて欲しい人にとっては、喩え何歳になろうとも決して逝って欲しくはないのだから。

すばらしい演技とすばらしい映画をありがとうございました。

ムトゥ「踊るマハラジャ」

今日は終日フェリーの中だ。

午前中は相変わらず波が高くて揺れがひどい。食欲も減退する。

気晴らしに、サイトの「マタイ受難曲」に関する記事を書き付けるが、思いの外大事業で、まだ第一部すら完了していない。いつになったらアップできるのだろう。気は焦っても内容が伴わなければどうしようもない。

夕飯を食べた後、ボーっとテレビを見ていたら、BS2で「ムトゥ・踊るマハラジャ」というインド映画が上映された。かなり話題になってはいたが、映画館はおろかビデオを借りる気もしなかった映画なので、せっかくの機会とばかり見ることにする。

結論。いやあ、たまらない映画だった。

きっと、昔、娯楽の王様だった頃の活動写真はこんなふうだったのだろう。あまりに深みがなさ過ぎて（いや、もしかすると見る方に一定の深みが要求されるのかもしれない）、笑うしかなかった。(^o^)

そして、一番感動したのは、そんな映画が、２時間３０分を越える長尺だったことだ。

しかし、さすがに踊りのシーンのカットバックはすごい。

ま、なんにせよ、強烈なカルチャーショックを覚えた「映画」だった。(^^;

フェリーは大揺れ

所用を済ませ、フェリーで九州に帰る。

東名高速から首都高に入ったとたんに渋滞。覚悟はしていたが、さすがにひどい。都心にいたときには「まあ、こんなもんだろう」と思っていたが、熊本を中心に走っていると、この渋滞は辛い。

横浜の家を出てから、有明のフェリーターミナルまで２時間あまりかかってしまう。もちろんある程度は折り込み済みであったが、谷町あたりでは相当じりじりした。都心の人はよくも我慢できるものだな、とすっかり地方人となってしまったような感想を一くさり。

強大な低気圧がやってきて、西日本は大荒れ。都心部も既に雨模様だ。荒れた方向に向けてフェリーは進むので、特に深夜の揺れ（縦揺れがことのほかきつかった）はひどいものだった。船には割と強い方の私も、さすがに気分が悪くなる。

横になりながらも、「救命胴衣の在処や付け方を確認しておくべきだった」と後悔しきり。荒れ狂う漆黒の海に投げ出される悪夢のおまけ付きだった。

明日からは下り坂

横浜方面はいい天気だったが、九州は雨になるそうだ。

16時30分、モリ総理の記者会見が行われる。「日本は天皇を中心とした神の国」発言で、自分の意図したところが伝わらず誤解を与えたことについて国民に陳謝する、という趣旨とのこと。遺憾から陳謝だから少しは前進したように思われるが、事はそう単純でもなさそうだ。

結局くだんの発言を明確には撤回しなかったのだが、その理由は、あの発言の根本には象徴天皇制という前提が明確に示されているので、間違ったことをいっているわけではない、と開き直ったところにあるようである。

まあこの場合、発言を撤回すれば、これまで強弁してきた前提が空無化され、立場は更に悪くなるわけだから、何とか口を濁しておきたいのだろう。

それにしても、件の発言の中には、「昭和の日」が制定された（もちろん祝日改正法はまだ成立などしていない）、などというものも含まれており、野党も徹底的になめられたものだと思う。

私には、神の国発言もさることながら、こちらの方が気持ちが悪い。そのうちに文化の日も「明治節」に逆戻りするんじゃなかろうか。

また、比較的まともだといわれている小泉純一郎氏も、マスコミが発言の一部だけを過大に書き立てて国民の誤解を助長している、などとまるで国民には判断能力がないかのような僭越な見解を出すに及んで、ますます嫌な雰囲気になってきた（まあ、彼も例の神道政治連盟の一員だから無理も無かろうが）。

政治屋にとっての国民は、選挙の時だけしか必要のないものなのだろう。

落選運動、広がって欲しいな。

山と海と雲と雪と

所用があって早朝に横浜に帰る。今日は全国的にいいお天気だそうで、飛行機からの景色が楽しみだ。

ANA642便（熊本発8時30分）はいつも混んでいる。そのほとんどは背広組だ。羽田に10時過ぎに着く利便さが受けているのだろう。

飛行機が知多半島の上を過ぎる頃、その奥に白く輝く山が見える。白山だ。その右には御岳・乗鞍岳が現れ、その奥には北アルプスが白い幕を引いている。何という積雪量だろう。今年の北アルプスの残雪は例年になく豊富だという話を聞いていたが、この時期に南部でもこれほど残っているのは驚きだ。

中央アルプスはそれほどの残雪はないように見えるが、南アルプスにも豊富な残雪が認められる。3000mを超えている峰はいずれも白い。

八ヶ岳には顕著な残雪は認められないが、赤岳とおぼしきあたりが斑になっている。

雲を突き抜けた富士山の姿がひときわ目立つ。私の前に座っていた白人が、感嘆の声を上げてライカを取りだした。

やがて、木更津沖の方に機首が向き始めると富士はいったん視界から遠のき、北の彼方に白い峰々が姿を現す。上越国境から那須・足尾方面の山々だろうか。

それにしても、青系統の色は寒色であるはずなのに、この明るさはどうだろう。海と山と空の青さの微妙なコントラスト。雲と雪の白さの違い。それらの境界がほんのりと曖昧になりながら絶妙な階調を表現していた。

久しぶりに、短くも楽しい空の風景だった。

今日もいい天気。

熊本は今日もいいお天気。しかし、上空には絹層雲が張り出してきており、さすがに崩れる予兆か。

モリ内閣の支持率が３割を割った。例の発言が影響しているということだが、むしろその後の態度に起因するのではないか。発言を撤回しないとか。

まあ、撤回はしないだろうな。それに、モリ氏どのような思想を持とうと、他がとやかく言うことではない。それがどんなに時代錯誤なものであろうとも床屋政談の範疇であれば「偏屈なオヤジだ」くらいで終わる。

しかし、どさくさに紛れてであれ「現に内閣総理大臣という公人中の公人」に就いている以上は、その一挙手一投足に世間が注目することは当然だ。それがイヤなら、公職から退けばいいのだから。にも拘わらずその地位に綿々としがみついて、スクープを掲載した噂の真相には「名誉毀損に基づく民事提訴」という腰の引けた対応をとる往生際の悪さを見よ。

自民党に対する嫌悪感は、その底知れぬ闇の存在にある。比較的まともと思われた白川勝彦議員にしてからが交通違反もみ消し事件で闇に沈んだ。

しかし、同時に行われた支持政党別の割合では、自民党は前回よりポイントを上げているのである。

この国の人々にとって、いったい政治とはいかなる意味を持つものなのであろうか。

今日は暑かった。

ここのところ熊本はいいお天気が続く。今日は本当に暑かった。

ネット上ではかなり前から話題になっていた「落選運動」。今朝は新聞などでも取り上げられていた。

自民党が回答を拒否したというのは、あまりにも予想通りで拍子抜けしたが、公明党や保守党、個人としては越智道雄事務所の回答はなかなか笑える。

詳細は「落選運動-主権者・市民連帯・波２１-」をご覧のほどを。

ただし、こういった運動は往々にして偏った印象を与えがちなので、例えば公約を列記してそれに対してどのような言動をとってきたのかを冷徹に分析するといった手法の方がより効果的なのではないか、と感じた。

この運動が韓国のように劇的な効果を上げるかどうかは未知数だが、むしろ、今回当選した候補者の公約やその行動を次回の選挙への判断材料にするための徹底監視へと繋げるべきか。いずれにしても、成り行きに注目したい。

ガラカブを釣り上げヨロコブ藪山

週末の5/20〜5/21、職場の旅行で天草に行き、初めて海釣りを体験した。 私に釣り上げられるようなアホな魚もおるまいと思っていたが、やはり船頭さんの仕掛けがいいのか、左のような獲物もあがり思わずヨロコビのポーズ。 天草はほとんど平地のない山がちな場所で、おもしろそうな岩壁が随所にある。 今回の旅行では千厳山に寄った。山頂まで階段がつけられているものの、おもしろそうな岩がごろごろとしており、人目を気にしなければいろいろなボルダリングが楽しめる。 山行記録を山域別に分けてみた。自分が確認するのにも、この方が好都合なので。