身辺雑記「綾に哀しき」２０１５年１１月分

雨時々曇り。

荏苒と時を過ごしているうちに、季節ははや立冬を迎えてしまった。

新しい仕事での必要性もあって、現在、ある夜間の講習会で講習を受けている毎日である。

終業と同時に脱兎のごとく職場を出ないと間に合わないので、結構厳しいものがあるが、それでもこういう形での学習にはやりがいを感じている。

何だか夜学に通っていた40年前のことを思い出し、その点では苦笑を禁じ得ないのだが。

講習が終わって帰宅すると22時を回ってしまい、それから軽く夕食を摂るので、酒は一切口にしていない。

そのせいか体重の増加が抑えられている。

運動ももちろんだが、やはり酒を控えるのがダイエットには相当に効果があるのかもしれない。

ところで、そのダイエットをめぐって、こんな記事があった。

闇売買で広がるやせ薬マジンドール 依存性高く副作用も…　自由診療の穴くぐり安易な処方が横行

マジンドールは、日本で唯一認可された食欲抑制剤で、保険適用となるのはBMI35以上の高度肥満症の患者のみなのだそうだ。

厚生労働省などによると、マジンドールは重度の肥満患者の食事療養や運動療法の補助薬として認可されている医薬品。成分が中枢神経に働きかけて満腹感をもたらし、摂取エネルギーの吸収を妨げるうえ、エネルギー消費を高めてくれる。

一方、覚醒剤と似た特徴があり、「飲んでいないとなにか不安」といった精神的な依存性が高い。このため麻薬取締法で向精神薬に指定されており、医師の処方がないと入手できない。医師は、患者の施用目的以外で譲渡することはできないことになっている。

依存性や習慣性がある上、ネットの書き込みよれば、鬱状態を惹起したり、吐き気や倦怠感をもたらすこともあるのだそうだ。

人間の三大欲望の一つである「食欲」を無理やり抑え込もうとする薬なのだから、端から体に良くないことは想像に難くない（そりゃあ鬱にもなるよな）。その上、依存性や習慣性もあるのだから剣呑だ。

従って高度肥満症の患者のみが投薬治療の対象となるのだろう。

因みに、BMIの値が35というのはかなりのレベルで、私の場合だと体重が106kgでその値になる。

そんな性質の薬であるのにもかかわらず、記事によれば「150cm42kg」くらいの人が「ダイエットのために」として、闇でこれを手に入れようとするらしいのだ。

「150cm42kg」のBMIは18.7であり、もちろん標準体重である（私の現在のBMIは22なので、私よりも断然痩せている）。

それでもさらに「痩せたい」として、麻薬もどきの薬に手を出そうというのだから、正直にいって全く理解できない。

横流しして逮捕された開業医は、初診料なし1錠を350円で販売したのだそうだが、患者の体を守るべき立場の医者が、ろくな診察もせずに金目当てで、こんな危険な行為に手を染めていたとは、全く以て開いた口がふさがらない。

行き過ぎたダイエットの危険性について、世間ではようやく警鐘を鳴らし始めている。

しかし、世の中に漂う肥満に対する偏見や蔑視の風潮が収まらない限り、こうした嘆かわしい事態が改善されることはないようにも思われる。

タレントを使った野放図なダイエットCMがテレビを席巻している現状では、なかなか難しいことなのだろうな。